【レス、克服への道】「結婚=行為をする権利」ではない。

「レス」の克服
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妻とのレスの問題で悩み始めた頃、ネットでレスに関する情報を探すたびに目にしていたのが、「レスは離婚原因として認められる」という記事だった。

当時、妻からの拒否を「一方的な押し付け」だと感じていた自分にとっては、「夫婦間のレスが離婚原因として認められる」ということを、「夫婦なんだから、結婚しているのだから行為をする権利がある」と言う風に主張する根拠のように捉えて、そこに縋っていたのだと思う。

今、パートナーからのレスに悩んでいる方々の中にも、この「レスは離婚原因として認められる」という情報を、どこか自分の主張の拠り所のように感じている人が居るかもしれない。

時間はかかるだろうが、その考えは改めた方がいいと思う。

「結婚=行為をする権利」では、ない。

妻に言われたことがある。レスのことで揉めているときに「自分の行為をしたい、という権利はどうなるのか」と言った僕に、「じゃぁ、私の断る権利はどうなるの?」と。「夫婦だからしないといけないなんて、おかしい」と。

その時は、納得することは出来なかった。だが、今となっては妻は当たり前のことを主張したに過ぎないのが良く分かる。

例え夫婦と言えども「同意」がなければ行為をすることはできない。「同意」のない行為は犯罪に等しい。

レスの問題で夫婦間で一番もめていた頃、自分の性欲をどうしてくれるんだ!と怒った僕に、妻は悲しげな顔で「じゃぁ、私は我慢してあなたの性欲処理係になればいいって言うの?」と言った。僕は自分の主張を認められないことへの怒りに震えながらも、でもこの問いには答えられなかった。

自分の「したい」を通そうとすれば「そのとおり」なのだが、それが望む形ではないことも分かっている。だからと言って「したい気持ち」を我慢することも辛い。もうどうすればいいのか分からなくなって、「そんなこと言ってないだろ!」と怒鳴ることしかできなかった。

図星の指摘に、うまく反論できる訳がない。「結婚=行為をする権利」だと思っていたのだから。片方が「したい」と望んでいるのだから、合わせて「応じてくれる」のが当然だ、と心底思っていたのだから。

妻は何度か、本当は全く応じたくないのに「仕方なし」に応じようとしたことがあった。だが、以前記事にも書いたが妻の身体は冷たく固くなり、僕はちょっと身体に触れただけで諦めるしかなかった。

僕の場合には、そこで諦めたからまだ良かったのかもしれない。

そこで「夫婦なんだから」と強引なことをして、奥さんの心と身体を壊すことになった、ということだってある。

「mio」さんのブログ、「夫のHが嫌だった」の記事をぜひ読んでいただきたい。

シンママまぁちゃんさんの『夫のHが嫌だった』

この記事を読んで最初に感じたのは「酷いなぁ」という感想ではなく、「俺も同じようになる一歩手前にいたんだ」という「戦慄」だった。このご主人と僕との間の差は、最後まで強引にしたか途中で諦めたか、その差でしかない。思考回路の根源にある「結婚=行為をする権利」というものは一緒なのだ。

今でこそツラツラと、偉そうに記事を書いているけれど、僕も元々は「したくない」妻を苦しめていた「夫」の一人なのだ。

だけど、だからこそ、僕らと同じようになって欲しくはない。幸運にも僕ら夫婦はそこから立て直すことが出来たが、「mio」さんや「mio」さんのブログに登場する女性達とその夫達のように、取り返しのつかない状態になっていてもおかしくなかった。そうなる前に気付いてくれる人が一人でも増えてくれればいい。心からそう思う。

 

 

 

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