男は「線を引きたがる」けれども。

「レス」の克服
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僕たち夫婦は、今からちょうど4年前に一番の「修羅場」を迎えました。

発端は、僕が当時の勤め先でのパワハラに耐え兼ね、逃げ出すように会社を辞めることになったこと。そして、精神的に「おかしく」なっていた僕は、しばらくは専業主夫をしながら在宅ワークをしたいとか、子供の教育に関する仕事に転じたいなどと言い出し、妻を怒らせ、あきれさせ、戸惑わせました。

「建築士になる夢を叶えたい」と激務の中、学校に通うのを容認し、建築士の免許をとるのを支えてきたのに、今度は訳の分からないことを言い出した夫を、それでも支えていくしかないかと妻が考えていたところへ、今度は僕が当時書いていた「妻への不満ブログ」の存在が露見。記事の内容から、「行ったことがない」と言っていた「風俗」に実は行ってたことが判明。

すでにそれまでの僕の言動などで夫婦間の空気は冷たくなっていたところに、それでも努力しようとしている妻の気持ちを踏みにじるような僕の行状。

今考えれば、あの時離婚になっていてもおかしくはなかった。

その後、頭を冷やした僕は、それまでの言動・行状を妻に詫び、妻の要求通りHIVや性病の検査を受け、建築以外の分野で再就職するために転職活動をすることに。

僕としては、ここで区切りをつけて、ここからは気分を新たにやり直そうと思っていました。

しかし、その後1年半くらいは、喧嘩になるたびに「あんなことを書いていたでしょ!」「信じていいのか分からない」みたいなことを妻から言われ、その都度僕は「あの時、きちんと謝っただろ!」と逆切れし。

僕としては、自分の非を認め謝った時点で線を引きたいと思っていました。

でも、今となって色んな方のお話を聞いたり、「脳の仕組み」について学んだりする中で痛感しています。

人間の記憶に、「線を引く」ことなどできない。「ここからはこうだ」などと「区切り」を付けることなどできない。区切りをつけれずに辛いのは、「した」方ではなく「された」方だということ。

「された」側の脳の中では、その「された嫌な経験」をもう二度としないで済むように、記憶に留めて「用心」しようとします。それが「フラッシュバック」などの形で「された側」を苦しめる訳です。少しでも似たようなシチュエーションなどに遭遇すると、「もう二度と騙されないわよ!」と脳が記憶を呼び起こすのです。それは「された側」にとっては「自分の身を守るため」の脳の防衛反応なのです。ですので、いくら「された側」が「もう思い出すのは止めよう」などと考えても無理な話なのです。

「した側」にとっては、いつまでも自分の非を持ち出されて責め続けられるのはとても苦しいことですから、一旦線引きして「忘れたことにしたい」と考えるのは仕方がないこと。でも、「された側」がそのことを忘れられないこともそれも仕方がないこと。

どちらも、「そうなのか」ということを知っているだけでも、少し気が楽になるのではないでしょうか。

 

 

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