僕には、二人の姉が居ます。
二組の姉夫婦は、25歳くらいで結婚してから後、これまで様々な問題を抱えつつ、結婚後20年以上が経過しています。
問題の細かいところを言えば、それぞれに違う事情ではあるのですが、突き詰めて言えば、どちらも「夫婦間のコミュニケーションの問題」、そして「お金の問題」。
二人の義兄は、どちらも経済力がない上に浪費癖があり、将来に向けてお金を貯めておく、などという発想はできないタイプの人。
一番上の姉は、保育士の免許を持っていますが身体が弱く、高収入を得ることが出来ない。にも関わらず、義兄は自分の収入から家賃と光熱費だけを払って、他の生活費は全て姉の収入でやっていっているらしい。当然、貯蓄などできません。
姪っ子や甥っ子の進学などでまとまった額が必要になるごとに、老いてなお生きるために必死で働いている両親のもとにお金の相談をしてくる。「お金の相談」と言えば聞こえはいいが、ただ単に「金をせびりに来ている」と言ってもいいと思います。
それだけではありません。義兄との仲がギクシャクしているせいなのか、長姉はたびたび”事件”を起こします。知り合いの男との”浮気騒動”や、SNS上での”問題あるやり取り”、そして”自己啓発”という名のインチキ商法に引っ掛かったり。そしてその都度、その尻ぬぐいは親が行ってきました。曰く「親の躾が悪いから、親が出すのが当然だ」という義兄の主張を飲んで。
一方、次姉は看護師の免許を持っており、病棟で勤務しているころには経済力の無い義兄の分まで収入を得て、家計を支えてきました。しかし、そのことが義兄のプライドを傷つけた上に、もともと浪費癖のある義兄。姉が稼いでも稼いでも、義兄が作った借金だのなんだので、彼女の家もまともな貯蓄はない。
そして、ついに次姉も”おかしく”なってしまったのか、次姉は急に病院を辞め、独立起業すると言い出した。資金のあてもないのに。
義兄の給料では、無理して買った新築戸建てのローン分くらいしか出せず、次姉の収入が途絶えては生活は成り立たない。でも「経済的に大丈夫なのか？」というこちらの心配に「何とかなっとうけん！」と答え続けて1年ほど。先日、事業資金と合わせて600万を超える借金があることが判明。「何ともなっていなかった」訳です。
二組の夫婦、それぞれに言えることは、義兄は人間性は悪くなくともお金に対する知識も知性も、欠片も持ち合わせていない。そして、二人の姉はそれぞれ、夫婦のお金の問題を、「旦那が悪い！」と義兄のせいにして必要な手を打ってこなかった。義兄だけを悪者にして、根本から問題と向き合おうとしてこなかった。それが今の”悲惨”な現状を生み出したのだと思います。
思えば二人の姉はどちらも、結婚当初から義兄のお金に対する考え方に問題があることは恐らく認識していたはず。そんな愚痴を、当時まだ学生だった自分は聞かされた覚えがあります。しかし、二人とも「結婚したら何とかなるだろう」「そのうち変わってくれるだろう」と根拠のない期待をし、義兄たちが変わらないと「言っても分かってくれない」「言っても無駄」と投げ出し、問題を放置してきたのです。そして、そのつけは常に両親に払わせてきたのです。
本気で「何とかしなければならない」と思えば、義兄との話し合いも違ったものになったでしょう。ひょっとしたら、離婚という選択もあったかもしれない。だのに「最後はお父さんたちが何とかしてくれる」という甘えから、必死で向き合うことをしてこなかった。厳しいことを言えば、そういうことになります。
夫婦間のコミュニケーションの問題は、夫婦仲の問題だけにとどまりません。お金のこと、そして、子育てのこと。色んな所に問題は波及します。
今、夫婦間でコミュニケーションが上手くいっていない方。「言っても分からない」「言っても無駄」と投げ出したつけは、必ず後で回ってきます。何といっても、目の前にいる相手は「最終的にはあなたが選んだ相手」。しっかりと覚悟をもって、向き合って欲しいと思います。
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