【レス、克服への道】子供の頃に封印した「自分」の行方(2)

「レス」の克服
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僕が「アダルトチルドレン」だと言っても、僕の生い立ちから育っていく過程はごくごく普通であり、この程度のことは誰にでもあることではないかなぁと思う。だが、こんなに「普通」な僕の場合でも自分で自分を苦しめ、その結果、妻との関係が上手くいかなかったときにそれが「激しい怒り」につながったのだ。細かい点は違えど、他の誰かにも起こることなのだと思う。暗い話ではなるが、昨日の続きを書いていきたい。

大企業に勤め、余裕があったころには目立たなかったが、転職し営業マンになって経済的にも、時間的にも精神的にも余裕を無くしてしまうと、僕の「自分の欲求が分からない、言えない」という欠点が目立つようになった。特に家庭においては。なにせ、「どうしたいの?」と妻に問われても玉虫色の返事しかしないのに、後から「そうじゃない!」と怒ったりするのだ。扱いにくいことこの上ない。

地方の国立大を卒業し大企業で働くところまでは、何の障壁もなくレールの上をスムーズに歩んできた。しかし、Uターン転職で「本当に自分がしたいこと」をしたい、と異業種に営業マンとして飛び込んだところで、それはすでに無理な行動だったのだ。何せ、「本当に自分が何を望んでいるのか」が自分でも分かっていないのだから。それでも「自分はやりたい事をやっているんだ」と思い込もうとして生きていた。でも人間、上手くいかずに苦しいときにその人の本性がむき出しになる。

こうして自分が一番余裕を無くしている傍らで、妻も出産・育児と余裕を無くしていた。いきおい、衝突することが増えていく。余裕がない上に、もっともらしいことを言いつつ、言うことがコロコロ変わる夫。(その上、それに自分でも気づいていない)。その夫は、「やりたい事をやっている」と言いながら、2人目が産まれたのにまた転職する。「やりたい事」と言いながら、少しも楽しそうではなくイライラしながら。妻から見ても、「この人はおかしくなったのか?」と言う状態だった。(と最近になって聞かされた。)

「自分のやりたい事」と言いながら「やりたい事ではないこと」に追いかけられている僕にとって、妻との「営み」は自分に許された(と信じていた)唯一の「快楽」だった。だが、妻にとっては2人の乳幼児の育児中のこと。日常的な睡眠不足もあり、僕の欲求には応えられない日が増えた。そうすると、人が変わったように怒り狂う僕。それを見て、妻の気持ちはどんどん引いていった。月に一度は、「そのこと」で大喧嘩する日々。あのまま走ってしまっていたら、、、きっと「破綻」という状況まで突き進んでいたことだろう。

自分で自分に嘘をついているのだから、見る人から見れば、「こいつは嘘つきだ」と分かったのだろう。嘘で塗り固めた矛盾だらけの僕は、新しい上司からパワハラを受けるようになった。最後はほぼ強制終了という形で、「やりたい事と言いながらやりたくない事に追い掛け回される」日々は幕を閉じた。当時はうつ病寸前まで追い詰められたのだが、今考えれば、あれは僕にとって必要な事象だったのだと信じている。ああでもされなければ、「自分自身が分からない」という壊れた状態を見つめ直すことは出来なかった、から。

仕事は強制終了になったのだが、妻との間では「これまでの自分」を保とうとして僕はネット上に妻への不満を吐き出していた。「嘘の自分」を妻に見透かされて、ネット上の「どこかの誰かさん」に共感を得ようとしていたのかもしれない。虚栄心から、妻には嘘をついて隠していた「風俗行き」の話なども書いていた。それら全てが妻に露見し、僕は完全に崖っぷちにまで追い込まれてしまったのだった。

 

つづく

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