先日、ご主人から「離婚」を突き付けられた奥様からご相談をいただきました。
これまで色々あった末の喧嘩の中で、ご主人が「離婚」を言い出したらしい。
正直、ついこの前の自分の姿を思い出して、相談を寄せて下さった奥さんに、申し訳ない気持ちになりました。
その方は、フルタイムで働かれていて、家事も育児もしようとしないご主人に対して「受け入れられない」という気持ちを持っていたとのこと。それでも、「ご主人を傷つけてしまった」と反省し、行動を変えようと思う、とのことでした。
数年前の僕であれば、「そうそう、ご主人は傷ついているんですよ!反省して下さいね!」みたいな返しをしていたかもしれません。そして、「ご主人との「行為」が出来るようになるために、努力して下さいね」と伝えていたかもしれません。
でも。レスの問題を通して、色んな「心の問題」を見てきた今となっては。
「行為」が出来るようになるかどうか、が問題の本質ではないことを知ってしまったから。
「離婚」を突き付け、「もうお前に気持ちはない」とまで言ってしまう、ご主人の心の方にも問題があることが分かってしまったから。
本当はね、これは奥さんだけが頑張るんではなくて、ご主人も頑張らないといけない問題なんです。どちらか一方だけが努力して、譲歩して、我慢して、解決する問題ではない。
でも、「もう離婚だ!」とまで言ってしまうほど、頭に血が上ってしまっているご主人に、「あなたにも問題があるでしょう」と投げかけたところで、問題がいい方向に向いて行かないことも、かつて僕自身がどうだったかを考えてみれば、良く分かっている。
恐らく、ご主人本人も分かっていないと思いますが、きっとご主人が欲しかったのは「行為」ではなかったはず。ご主人が腹を立てている理由の奥底には、「自分のことをないがしろにされている!大事にされていない!」という怒りと悲しみがあったのではないでしょうか。SOSを出し続けても、気付かない振りをして、救いの手を差し伸べてくれなかったことに対する「恨み」があったのではないでしょうか。
でも、それを「拒否する側」が一方的に受け入れて、飲み込んで、譲歩することなど、到底出来ないことなんです。だって「拒否したくなる」ことには、人それぞれちゃんと理由があるのだから。その部分が解決しないのに我慢しつづければ、今度は心と身体が壊れてしまう。
結局、僕の中でも「どうすればいいのか」「どう助言すればいいのか」結論が出ないのです。
ただただ、土俵際まで行ってしまったこのご夫婦が、冷静さを取り戻して少し踏みとどまって欲しい。そして、なぜこのような状況になったのかを、夫婦二人ともが相手のせいにせずに向き合って欲しい。
そんな風に願わずにはおれません。
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