相手から行為を拒まれている時に、拒否される側はその埋め合わせをしろ、とばかりに一種「報復」的な発想に陥りがちだ。
僕自身の経験で言えば、やたらと身体に触ろうとしてみて(子供が起きている間でも)拒まれると不機嫌になったり、家事や家計の事にダメ出ししてみたり。「浮気しても後悔するなよ」的な事を言ってみたり、「出来ないんだから、風俗に行くぞ」と脅してみたり。
他にも、何日も口を利かないとか、子供に八つ当たりする、とかも。
あと、やたら金遣いが荒くなってみたり。
女性の側からだと、やたらと冷たくしてみたり、過去の悪事を責め立てたり。泣く、というのも旦那さんにとっては怖い報復、かもしれない。
「自分の要求を叶えてくれないのだから、このくらいされても仕方ないだろ?」「こんな風にしちゃうのは、あなたが悪いんだからね!」と別なところで仕返しをしようとする。
これ、どうにかして相手の気持ちを自分に引こうとする「必死で捨て身な」手段だったりするのだ。
だが、悲しいことに往々にしてこの「捨て身」さが、余計に相手の心を遠ざけたり、溝を深くすることにつながる。
僕がいつも引き合いに出す「負のスパイラル」だ。
何度も何度も、本当にくどいようだが、接触を拒みたくなるくらいに表面化した「拒否感」というのは、拒否される側が大騒ぎすればするほど大きくなる。深刻化する。相手が子供であれば、駄々を捏ねられても「仕方がないか」となるが、パートナーとなれば話が別だ。経験から言えば、駄々っ子になればなるほど相手の気持ちは冷めるばかり。そのことには、なるべく早く気付けた方が良い。
一方で、そんな駄々っ子の言っていることを、「拒否しちゃう側」はまともに受けない方が良い。例えば「浮気しちゃうからね!」と言われたからと言って、「自分は性欲のはけ口なんだ」などと考える必要はない。そもそも本当に浮気をするつもりであれば、そんな宣言せずにこっそりしちゃうものだから。そんな宣言をわざわざするのは「浮気されたくなければ、要求通り行為をさせろ!」と言いたいだけだ。あんまり深刻に捉える必要はないと思うし、そこに真面目に反論しても火に油を注ぐだけだ。「え~、浮気は嫌だなぁ~」くらいで肩透かしを食らわすくらいが丁度いいのかもしれない。
僕の経験を頼りに話しをすれば、性的なトラウマや性交痛などによるものでない場合には、拒否しちゃう側にも、拒否する側にもそこまでに積み上げられた「相手への不満」が存在していることが多い。拒否しちゃう側であれば、日常の不満はもちろんだが、例えばパートナーのせいで仕事を辞めざるを得なくなったとか、親との関係が悪くなったとか、そういう過去の「恨み」や「不満」が存在していたりする。一方、拒否されちゃう側にも、相手から見下されているような気がする、とか、「大事にされていない」と感じる部分がある、とかで、拒否された時に以上に腹を立てたり、そのことに拘ってしまう要因があるものだ。
そこを解決しない限り、負のスパイラルはいつまでも続く。場合によっては、二人の仲が破綻するまでどんどん落ちていく。
拒否しちゃう側も、される側も、自分の心の中にある「満たされていない」部分に意識を向けて、そこの部分を癒すことしかこのスパイラルを抜ける方法は考え付かない。
とにかく、仕返しはもう止めよう。
コメント
sorairoさんこんにちは。過去記事にコメント失礼します。
『自分を癒す』と『報復的考え』がごっちゃになって混乱しています。
例えば、私は夫からキスやハグして欲しい→お願いしてもしてくれない→結局自分からする。の流れの今ですが、『キスやハグがしたい』から自らすると余計に寂しく感じることが増えてきました。でも自分からしなければもちろん相手からなんてありえません。する方が癒しなのか、しないことが癒しなのか。
また以前は夫の為にと楽しく家事をしていましたが、最近では面倒で何もしたくありません。なぜ私ばかりが…と怒りすら湧いてきます。これは報復的な考え方でしょうか?
相手の帰りが遅いとイライラするのに、いざ帰ってこられても何も楽しくない。自分自身の心がわからなくなってきました。
sorairoさんはこのような矛盾した感情になった時はありましたか?もしあったらどのようにして過ごしたのか教えて下さい。よろしくお願いします。
景子さん、こんにちは。いつもコメントありがとうございます。
まず、「自分を癒す」について。
キスやハグを自ら求めても、癒されない。
僕にもありましたよ。同じように、僕の方から求めて嫌な気分になる。
大事なのは、「自分で癒す」ということです。
キスやハグというのは、結果的に相手に依存していますよね。
相手が応じてくれないと癒されないですし、相手の応じ方やその時の雰囲気によって
癒しどころか、イライラの原因にもなってしまう。
景子さんには、ご主人に関係なく楽しめる趣味はありますか?
まずはご主人が居なくても自分自身が楽しい気分になる、
そのことを考えていると嫌な事を忘れられる、そんなこと。
最初のうちは「レスのことを忘れたくない!」と嫌な気分になるかもしれない。
それでも、続けることが大事です。
そしてもし、結婚を境に、ご主事に遠慮して止めてしまったことなどがあれば、
再開してみるのも一つです。ご主人がすごく嫌がることだと止めておいた方がいいですが、
ご主人がそれほど気にしていないのに、恵子さんの方で遠慮していることであればいいと思います。
そして、「自分を自分で癒す」ことで一番大事なのは、
自分が考えていること、感じたことをそのまま受け止める、ということ。
「なんで私ばかり」と感じることを「そんな風に考えてはいけない」などと
考える必要はないんです。「私ばっかり家事をするのは嫌」と思っていいんです。
その上で、もし「自分のため」に出来るのならそうしても良いですし、
出来ないのなら、ご主人に分担してもらうのもいいでしょう。
ただ、その話合いのときに、「性のこと」を引き合いに出さないこと。
景子さん自身が、自分だけ家事を負担するのが嫌だから、と
きちんと自分の気持ちを元に話しをすること。
ここで「性のことで私の要望通りにしてくれないのだから、家事をして当然」
という考え方で話をしてしまうと、それはまさに「報復」になってしまう。
もし、ご主人が分担してくれないのであれば、乗り気でないときには
多少手を抜いてもいいと思いますよ。
僕も以前、行為を受け入れて欲しくて家事をしていた頃は、
期待通りにならないと「なんで俺がしないといけないんだ」とイライラしていました。
今は、自分がスッキリするために洗い物をしますし、料理も自分がおいしく栄養を取るためにする。
だから、気分が乗らない時にはしない。
もっと、「自分」中心で、景子さん自身を大事にする。
それが、「自分を癒す」ことになっていくと思います。