あれは、何歳のころだったか。
恐らく小学校に入る前だったと思う。
小さかった僕は、母の財布を何の気なしに触って、がま口を少し開けてしまった。
そしたら、凄い剣幕で怒られた。「人の財布を、勝手に開けたらいけん!」
それから僕は、家族であろうと自分以外の「人様のお金」を勝手に見たり触ったりすることは、絶対にしてはならない事なのだ、と信じて生きてきた。
そんな僕にとって今回の妻の一件は、僕に対してとても失礼なことをしておいて、逆切れする「とんでもないこと」と感じられた。
一方の妻にとっては、家族のお金はみんなのお金。だから勝手に見たりしても問題ないという認識でいるようだ。だから、どんな経緯があるにせよ、会社からもらったお金の存在を家族に隠しているというのは「間違っている」。妻はそう信じて疑わない。
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検査前の書類整理で仕事から帰るのが遅くなったこともあるけれど、僕としては子供たちが寝付いてから家に帰りたかった。顔を合わせれば、即言い合いになる可能性が高かったから。
いつもよりかなり遅めに帰ったにも関わらず、子供たちは寝付く前だった。それだけでも、妻が今日一日荒れていたことが伝わってくる。
一触即発。そんな空気だったけれど、「子供が寝てから」と自制して、例のお金の封筒を取り出し、テーブルの上に置いて待っていた。
その間、今回の喧嘩は、自分の思いを妻に認めさせようとか、謝らせようとか一切すまい。自分がなぜ怒ったのかを冷静に説明して、あとは妻の意見を聞こう。そんなことを考えていた。
そのまま寝るかもな。そう思っていたが、妻は起きてきた。
まず、昼の電話でなぜ怒ったのか。その時の状況を説明し、なぜこのお金の存在を黙っていたのか、という僕の思いを説明した。そして、「人のお金を勝手に見る」ことは自分にとっては「あり得ない」行為だ、ということも。
冷静に話をしたことが良かったのか、珍しく妻は「その点は謝る」と言っていた。
そこからは妻の話。お金が欲しくて言ってるんじゃなく、隠していたことが嫌だったこと。僕の賞与などに素気ないというのなら、私の賞与や給料に対して感謝してくれてるのか、私だって家計のために働いているんだ、、、etc。
いつもなら、「人のせいにして!やっぱり反省してないじゃん!」となるところだが、黙って聞いていた。それを言いだしたらお互い様だとは思うが、反論しても火に油を注ぐだけだから。確かに、僕も妻の給料日に「いつも頑張ってるね、ありがとう」とは言っていない。(妻もまたしかり)
こちらが反撃しないことに安心したのか、その後も一方的に自分のことを話す妻の話を聞いていた。その後、妻の仕事のことや貯蓄のことなどひとしきり話を聞いて、その場は収まった。
いつもこんな風にしないといけないんだろう。心の準備が整っていれば、それも何とかできるのだが、、、。
コメント
素晴らしいですね!大変だったかとも思いますが、ほとんど会話もできない我が家と比べると大きな進歩です。第三者の気楽な意見に過ぎませんが羨ましいです。私も頑張ろう。
さなえさん、返事遅くなってすみません。
う~ん、良くも悪くも、会話自体はしてますね。状態が悪くても。
いつも興味深く拝見しております。
今回は冷静な対応により大きな衝突は避けられたようですが、かえって「(妻が反省すべきであったが)僕が折れてやった、我慢してやった」との強い不満が残ってしまったのではないでしょうか?何となく奥さまが悪者みたいな文面で、読んでいて息苦しさを感じました。
また、奥さまの給料日に感謝を言っていなかった、とのくだりがありますが、「妻に認めてほしい」という気持ちを何度も書かれているのに、ご自身は相手を認める表現を全くしてこなかった、というのが驚きです。感謝してないのはお互い様じゃないか、とのことですが、奥さまは「私にも感謝しろ」とは言っていません。「あなたが私に感謝しろ、と求めるなら、あなたも私に同等の感謝をすべきではないか?」と指摘しただけに思います。(そりゃそうだ、と感じました。この発言に腹が立ったなら、それこそ図星だったから=逆ギレだと思います。)
それに、奥さまにとって働くのは当然のことで、いちいち給料日ごとにお礼を言われるようなことではないのかもしれません。それこそ価値観の違いですし、どちらが正しいというわけではないはずです。いずれにしろ、一方的に感謝を求めるのに自分は言わない、では無理がありますし、心にもない感謝の言葉はお互い負担になると思います。
「給料や賞与に対して感謝すべきである」という価値観の方が、なぜ奥さまの給料日に何も言ってこなかったのか?を考えると、奥さまの仕事の内容や給料が自分に比べて大したものではない、と見くびっているからではないでしょうか?妻も自分と同じように頑張って働いている、と思うなら、自然と感謝の言葉が出てくるのではないでしょうか。
ここまで書いたところで、私は「男性が女性を対等な存在として見ていない」と感じると噛みつきたくなる、そこに異常にこだわる人間なんだな、と気づきました。何か原因があるのか今のところ分かりませんが、そこにこだわる、という傾向を自覚することから始めようと思います。
ご多忙のようですので、お疲れの出ませんように。
ガートルードさん、コメントありがとうございます。
しかし、あなたは何か僕への「悪意」のような前提をもって記事を読んでおられるのだろうか?
そんな風に感じさせられるコメントだと思いますが、ご自身でコメントを読み返してそう思われませんか?
僕が「相手を認める表現を全くしてこなかった」などと、記事のどこに書いてありますか?
どちらが「正しい」訳でないのが分かっているから、自分の気持ちを伝えるだけにとどめ、黙って話を聞いていた訳です。僕は「俺が正しい」などと記事中で書いていますか?
ご自身の思い込みで、書いてもいないことを補って批判をするのは止めて下さい。
妻を見くびっている、、、。確かに、そんな一面はあるのかもしれません。
ただ、お金の件についてはここに書いていない「過去の経緯」もあります。僕が妻にお金のことで「不信感」を持っているのも事実。
そのことを、ここに書き立てるつもりはありません。それこそ、妻を悪者に仕立て上げるような行為ですから。
あなたが噛みつかないといけない相手は、僕ではありません。それはご自身でも分かっておられるようですから、よく自分自身と向き合ってください。
申し訳ないですが、今の僕にはそれを受け止める心の余裕はありません。
お疲れ様でした!
奥様は伝えたいことを伝えられて
逆にスッキリされたでしょうね(*´-`)
余裕があると『聞いて相手に譲る』…
それもできるのですが、わたしにはなかなか(;ω;)
よくわかります…。
本当にお疲れ様でした…。
mihoさん、おはようございます。
ありがとうございます。
”余裕”、、、そうですね、、、。
今回は自分にも余裕がない状態だったので余計しんどかったように思います。今の僕たちは、割と危険水域にいるのだという思いがあって、踏ん張りが利いたかなぁ。。。
お返事ありがとうございます。
文中の「相手を認める表現をしてこなかった」というのは、「僕も妻の給料日に『いつも頑張ってるね、ありがとう』とは言っていない」という一文について書いたものです。妻が賞与についてそっけない、と嘆いていたのに、自分も感謝の言葉を言っていなかったの?という趣旨です。給料や賞与へのリアクションに限定して書いたつもりでしたが、意図が伝わらない上に大変不快な表現となってしまい、誠に申し訳ありませんでした。
悪意をもってコメントしたわけではありませんが、内容には十分に注意したいと思います。何かとお疲れのところ、不用意なコメントでご負担をかけてしまい反省しております。ご自愛ください。
ガートルードさん、コメントありがとうございます。
こちらも心に余裕がなく、きつい返しになってすみません。
一応、妻の給料日に「お疲れ様」と言ったりはしていたけれど、妻から見ればそれは”ねぎらい”とは感じていなかった、
ということにもショックを受けていたので、「言ってなかったの?」とそこの部分を指摘されると余計に感情的になりました。
今回、いつものように「俺の気持ちを分かってくれ!」というようなことを求めずに接することで衝突を回避できたことで、
今後へのヒントは得たと思っています。