僕は、随分偉そうに「性」や「セックス」の問題について語っていますが、医者でもありませんし、心理カウンセラーでもありません。その道の専門家ではありません。
セックスレスの問題を、「克服」もしくは「解決」する方向に考えていこうとしたとき、大事なのは「自分がセックスで手に入れたいものは何なのか」を知ることだと思います。
ですが、普通それは「分かんなくてあたり前」な話で。
今のこの世の中で、「普通」とされる人は、そんなことを考えること自体、恐らくほとんどありません。
ですから、セックスのことが自分の前に問題となって立ちふさがってきて初めて考えることになる。壁にぶつかって、初めてその存在を知る。
「分かんなくて、あたり前」なんですよ。
僕は、思春期の頃から本当に性欲が強くて、でも普段はそんなこと全く考えていないような顔をして、素振りをして生きていました。そしてやはり、「自分が”性”に求めている欲求は何か?」なんて、頭の片隅にも考えることなく、30代半ばまで生きてきたのでした。
そして、妻からセックスを拒まれるという事態に直面し、そこでコントロールできない怒りに直面して初めて、「自分はセックスに何を求めているのだろう」と考えるようになりました。
それも、すぐにはそこには至らなくて。真面目に考えることが出来るようになったのは、妻と衝突するようになってから4年ほど経ってからです。
今、セックスの問題に直面して苦しんでいる方の中には、かつての自分を「なんであの時この選択をしたんだろう」とか、「自分の求めるものと違うものを選んでしまった」などと責めてしまっている人もいるだろうと思います。
でも、そのときのあなたには、分からなかったこと。
そこを考えても、仕方ないのです。
今の日本で、性の問題を真面目に考えれる人は、決して多くはありません。
分からなくて、当然。
必要以上に、自分を責めないで。

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