「立場」の違い

リクルート

今日の記事は、主に学生さんや転職するにしても20代くらいの「若い方」向け、の内容になろうかと思います。

土木の仕事、と一言で言っても、どの「立場」で携わっていくかで、見えてくる光景は全く違ってくる、というお話し。

私は、大学で土木について学びましたが、専門課程を出ても、一度もこういう話を聞く機会はありませんでした。

まぁ、ひょっとしたら私が授業中居眠りしている間に話が出ていたのかもしれませんが(苦笑)。

土木の仕事に従事するにあたっては、大きく分けて「発注者」の立場と、「設計者」の立場、そして我々のような「施工者」の立場とがあります。

「発注者」は、土木分野の場合はほとんどが「公務員」。国土交通省、農林水産省といった国の機関から、福岡県や北九州市などの地方自治体に所属し、公の予算で、公共の福祉のためにどんな事業、どんな施設が必要なのか検討、計画立案を行い、設計・施工の管理を行う。

「設計者」の多くは、「建設コンサルタント」と呼ばれる調査・設計を主に行う会社に所属し、「発注者」の計画に基づいて、実際に施設を作るための詳細な構造検討、図面の作成とそのために必要な「費用」を計算し、発注者に提出する。

そして我ら「施工者」は、設計資料に基づいて「工期内に、安全に、設計どおりの目的物を製作する」。

細かく言えば、他にも製品を土木の現場に供給する「メーカー」の立場や、資機材をリースする「リース会社」の立場、調査・測量を行う「調査・測量会社」の立場などもありますが、ここでは大きなところを言っています。

この「立場の違い」は、思っている以上に大きいです。

例えば、「現場が大好き、物が出来ていくのを見るのが好き!」という人にとっては、「発注者の立場」では逐次現場に行くことはあまりできず、物足りないかもしれない。

逆に「物事を計画したり、大きな計画を練ったりするのが好き」という人が、「施工者の立場」にいても、面白くは感じないかもしれない。

「計画を立てたり、お金の計算は苦手」な人が「設計者の立場」に着くと、日々が苦しいものになるかもしれない。

「責任感が強くて、細かいことに気を遣い過ぎる」人にとっては、「発注者」は責任が重すぎて苦しいかも。

それぞれの立場には、それぞれの「面白さ」と、「大変さ」がある。

できれば、それを知った上で、後悔無いように道を選んで欲しい。

そんな風に思います。

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