土木とICT

現場のあれこれ

「土木」の分野にドップリ漬かっていると、「ICTの活用が進んでいる分野」だという自覚がないのですが、他の分野の方とお話しをしてみると、意外に進んでいる分野なのだな、と感じさせられることがあります。

土木の現場で最初に「ICT」という言葉を耳にしたのは、「ICT施工」が導入され始めた、今から4年ほど前のころ。ドローンやレーザースキャナーで測量し作成した「点群データ」と、机上で作成した「設計点群データ」の差から、必要な盛土量や切土量を計算し、「設計点群データ」に沿って動くショベルカーやブルドーザーを使って施工する。出来上がりもドローンやレーザースキャナーで測量して施工前のデータと重ね合わせ、「計画通りに出来てるでしょ?」と確認する。ICT施工のイメージはそんな感じです。

以来、私の頭の中では「ICT」=「機械で測って3次元データを基に施工して、、、」というイメージが強くなっていたのですが。

でも、「ICT」とは「情報通信化技術」のこと。ですのでコロナであたり前のように行われるようになった「リモート打合せ」なんかも立派な「ICT」。

今回の工事では、発注者と受注者との間の書類提出を、ASP(Application Service Provider)を使って電子データで提出する取組を行いました。

このASP、もう何年も前から存在はしていたのですが、「書類は紙の方がいい」という受発注者双方の頑なな思い込みがあって、なかなか使われて来ませんでした。

慣れないことをするのは、勇気が要りますからね。しかし、実際に使ってみると、随分時間の節約になる。

書類で提出する場合と違い、「持っていく移動の時間」が必要ない。これまでは発注者の都合の付くタイミングでしか提出出来なかったものが、極端を言えば時間外でも提出出来る。出した書類を紛失したりすることもない。

紙で出していた時より提出前の書類のチェックが甘くなりがち、という欠点はありますが、それを差し引いても、導入のメリットは大きいなと感じています。

これからは土木業界も人が減って、無駄を省いていく必要に迫られる。

派手さはないけれど「有効な一手」だったなと思います。

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