20数年前、私がまだ大学生だったころのお話。
所属していた土木学科全体での懇親会(何の集まりだったかは忘れた、、、)の場で、あるゼミの助手の先生が、酔っ払ってろれつの回らない口調でこんなことを言ってました。(広島弁まじりで)
「お前ら、土木はぁなぁ、地味ぞぉ、、、ヒック。こん中で誰か、偉ぅなって土木にも光があたるようにせぃ!」
「お前、建築は はぁお前、ドラマの主人公とかで描かれよるじゃろうが、、、じゃが土木の人間が主人公なんぞ、ほとんど見んわい、、、俺らの方が規模のデカい仕事しょーるのにぃ、、、くやしいのぉ」
そのときは「なんじゃ、酔っ払って愚痴言いよってからに、、、」ぐらいにしか思ってませんでしたが、彼と同じくらいの歳になって、彼の言いたかったことが何となく分かるようになりました。
とにかく、土木は地味だ。。。
私は、以前リフォームの仕事をしていた時に、少し建築のことも齧ったのでその感覚が強いのかもしれませんが、建築と土木では、世間一般からの目線が全然違います。
それこそ、彼の言うとおりドラマの登場人物にもしばしば「建築士」は「ポップな感じで」登場しますが(例えばドラマ「結婚できない男」の主人公とか)、土木で記憶にあるのは黒部ダム工事を描いた「黒部の太陽」(1968年!)とか、青函トンネル工事の「海峡」(1982年、、、)とか。規模はデカいがとにかく「身近でない」。
そして、彼の言うとおり、社会に与える影響の度合いで言えば土木と建築では圧倒的に土木の方が影響度は大きい。建築はその建物に関係しなければあんまり影響力はないですが、我々の仕事が滞ると、多くの人の社会生活に影響が出る。
でも、光はそれほど当たらない、、、。
弊社の社長はよく「縁の下の力持ち」という言い方をします。言い得て妙だと思いますし、その気概で我々は仕事に勤しんでいる訳ですが、自分の中にはどうも「アピール不足」もあるんじゃないか、という思いが燻っています。
もっと知ってもらうに、出来ることはないか。今から「偉ぅなる」ことは難しいが、、、それでも。。。
コメント