今回の現場では、工事開始から「排水」が大きなウェイトを占めています。
ポンプ、と一言でいっても、大きさ、タイプによって様々あって、その現場、その局面に合うポンプを選定することは、意外と難しいもの。
土木の現場で、一番多く使われるポピュラーなポンプは「2吋(インチ)・100V」というタイプ。
これは、吐出口の直径が2インチ(約5㎝)のタイプ。重量は20㎏ほどで、1人でも持ち運びが可能な万能選手。排出能力は0.1m3/分。お風呂の水(約800L=0.8m3)を抜くのに、8分ほどかかる性能です。
しかし今回の様に、大量の水を吐き出したい場合には、当然ポンプのサイズを上げて、もっと水を大量に吐き出すポンプを入れたい訳です。
ポンプのサイズは、2インチ、3インチ、4インチ、6インチ、8インチ、と上がっていきます。吐出口のサイズが1.5倍、2倍、3倍、、、と増えていく訳ですが、排水量は1.5倍、2倍、、、とはなりません。
例えば2インチと4インチを比較すると、2インチ100Vが0.1m3/分に対して、4インチ200Vだと1.0m3/分。約10倍。これが6インチだと、2.0m3/分で20倍。
しかし、ポンプはサイズが上がると重くなります。2インチ100Vが20㎏に対して、4インチだと60㎏。6インチとなると120㎏近くで、もはや人力では動かせない。
今の現場の状況で言うと、水溜りの中には人力でしかポンプを搬入できないので、4インチがMAX、ということになります。
通常の4インチポンプの排水能力は、1.0m3/分。お風呂の水を1分かからずに抜き終わります。
ただし「人力で運べるギリギリのサイズ」なので、当然設置や移動は大変。今回、搬入に当たっては小型のボートや、大きな発泡スチロールのフロートに乗せて設置する場所まで運びましたが、そういう工夫が必要になります。
また、ポンプが大きくなると、必然的に排水用のホースや、接続用の部材も大きくなるので、設置や移設は大変になります。
ですので、大型ポンプは一度設置したらあまり動かさなくてもいい場所に、小型ポンプは機動性が必要な場所にと、使い分けをするのが大事。
適材適所。人と同じですね。
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