「砂」は資源として枯渇する方向にあるため、近年価格が高騰している、ということを先日の記事でご紹介しました。
それを受けて、福岡県でも「海砂」に代わる材料の使用を模索していて、ここ苅田の「敷砂」工事においては、「クリンカアッシュ」と呼ばれる砂状の材料も使用しています。
この「クリンカアッシュ」、元はと言えば石炭火力発電所で発生する「石炭」の「焼却灰」。「火力発電所のボイラーの底部に落下した石炭灰の塊を回収し、脱水・粉砕した灰」(by日本フライアッシュ協会HPより)。
見た目は、ちょっと目の粗い砂。
もともとが、多孔質(細かな孔(あな)が沢山開いた物質)なため、粒になっても砂より若干軽いこと、砂よりも粒径(粒のサイズ)にばらつきがある(粒の大きいものから小さいものまである)、というのが特徴です。
今回の工事では、全体に撒く砂の分量の40%ほどをこの「クリンカアッシュ」でまかないます。
ただ、やはりどんな材料にも「長所」と「短所」があるもので。
このクリンカアッシュの短所は、何と言っても「材料としての供給体制が不安定」なところ。
もともと、石炭灰という「廃棄物」なので、発電所での扱いの優先順位が低い。例えばこの「クリンカアッシュ」の積込予定の日に海が荒れて積込が出来ない場合、通常であれば順延して天候の回復を待つのですが、そうすると火力発電の燃料である石炭の搬入に影響するため、当日積込が出来なければその予定自体が「キャンセル」になってしまう、という事態が発生する。
電力会社の事情からすれば「仕方ない」ことではありますが、購入者で且つ現場を運営するものからすれば、たまったものではありません。「売り手側の事情」によって、来るはずのものが来ないという状況に現場が振り回される、ということが発生する。。。
なかなか、悩ましい。。。
今回の現場に限った話ではないですが、こういう「再生資源」の利用にはどうしても「需要」と「供給」のバランスの問題や、「供給体制」の弱さ、といった独特の問題が絡んできてしまいがち。
「再生資源」で環境に優しく、とは簡単にいかないのが現実、というところです。
もっと大きな船で大量に持ってこれれば、、、
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