一万年前の土

現場のあれこれ
DCP PHOTO

今回に限らず、泥の中にセメントを練り込んで固める地盤改良法では、その一番下を「支持層」と呼ばれる比較的固い層に定着させることが大切になります。

今、工事をしているところは、かつては海の真っ只中だったところ。ここでの「固い層」は、「一万年以上前に堆積した地層」の事を指します。土木・建築の世界ではよく出てくる「洪積層」と呼ばれる地層です。

と、言葉で説明しても分かりにくいので、模式的に示すとこんな感じ。

地盤改良 模式図

浚渫土(泥)の約20m下に、もともとの海底の固い層があり、そこまでセメントを混ぜ込んで固めましょう、というのが今回の工事。

前回の地盤改良工事でも感じたのですが、この「一万年前の堆積物」というものを前にすると、不思議な気分になります。

だって、「人間が今の人間と同じような生き物になったころ」の堆積物。我々の祖先が生きていた頃に、存在していた土や砂を今、目の前に見ている。。。

一番左側が洪積層の土砂DCP PHOTO

仕事を行う分には「そんなことを考える必要性はない」のかもしれませんが、そういうことを想像する機会を得られるのも、この仕事の面白さ、なのかもしれません。

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