「技術」の力

現場のあれこれ

私はUターン転職で北九州に戻ってくる前は、東京で働いていて、当時抱えていた仕事の関係で2か月に一度くらいの割合で北九州に出張するたびに、北九州空港を利用していました。そのときに毎回、今自分が仕事をしている苅田の埋立地を見ながら「なんだか広大な土地なのに、何も利用している雰囲気がないのは何故なんだろう?」と不思議に思っていました。

実際に仕事で携われば、不思議でも何でもなく、「海底を掘った”浚渫土”の処分場」だから地盤改良(地盤を固める工事)をしないと土地としては使えない、というだけの話だったのですが。

一般の方が「埋立地」と聞くと、「山から土砂を運んできたり、燃やせないゴミを持ってきて海の中にどんどん投入していく」ようなイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。

現在では、そのような成り立ちの埋立地は少なくなりました。ここ苅田町の新松山地区は、そのほとんどが「浚渫土で出来た土地」。

浚渫土の投入の様子

もともとは人が歩くことすらできなかった”泥”でできた場所を、色んな工法を組み合わせて施工して、「使える土地」にする。自分達で仕事をしておいてなんですが「凄いよなぁ」と思います。

上の写真なんぞ、今見たら「よくそんなところまで歩いて行ったな」と思うレベルで、ひび割れている隙間に足を一歩踏み外せば、腰まで浸かるような泥の上。そうやっておっかなびっくり歩いていた場所が、いまでは重機やダンプが走っても大丈夫な「陸地」になっている。

なんとも不思議な気分にさせられます。

もちろんちゃんと「技術的な裏付け」があって、そうなること自体は不思議でも何でもないのですが。

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