今回の現場は、ドロドロの浚渫土の中にセメントと水を混ぜて作った「スラリー」と呼ばれる固化材を「地盤改良機」という機械で練り込んで固める「固結工」と呼ばれる工法の一つ。
泥の上に「作業台船」を浮かべ、その上に「改良機」を2台乗せ、作業を進めていきます。
地中20m以上まで掘削していく「長尺の地盤改良機」を、台船の上で横方向に動かしながら作業をするため、「長尺横行式泥上施工法」という呼び名がついています。
池の水をポンプで抜いたため、泥の表面が乾いて雰囲気だけなら歩けそうな感じですが。
実際の改良機の先端はこんな感じ。
泥が付着して分かりにくいですが、回転する棒の先端に「攪拌翼」と呼ばれる羽が二枚ついており、その先端からスラリーを吐き出しながら、泥の中に円柱状の杭を生成していきます。
杭のサイズは、直径1.2m。それを地表面から-20~‐22m下の固い地盤まで打ち込んでいきます。その数、14本×80列で1,120本。
昼夜の二交代体制で施工し、一日の施工量は約30本。
この工法のポイントは「正確な位置」に、「設計通りの品質のスラリーを混入した杭」を「安全且つ効率よく打設する」か。
杭を打設する改良機は特殊なものなので、トラブルが起きても「すぐ交換」とはいきません。いかにマシントラブルを防止するか。
それを操るのは人。トラブルを防ぐ手を先手先手で打ちながら、いかに正確に打設できるか。
簡単そうで、なかなか難しい工法です。
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