最近、日本の社会、いや、世界を見渡しても「白か黒か!」「善か悪か!」みたいな「二元論」が幅を利かせていて、もっと言えば「正しい(と本人が信じ込んでいる)」ことを語ることだけが許され、現実に即した発言ですら、バッシングを受けるようなおかしな風潮が強まっているなぁと感じる。
現場で、昼食をとっているとテレビで「避難所にホームレスを入れるかどうか」について話していた。多くのコメンテーターが「人命を守るためには、入れてあげるのが当然だ」とまぁ、耳障りのいい”正論”を言っている中で、「治安の面とか考えると、入れたくないなという気持ちも分かる」「そういう人は、そういう人用の場所を容易した方がいいんじゃないか」と、「おぎやはぎ」の小木さんがコメントした。
僕は、「勇気あるコメントだな」と見ていた。まぁ、シナリオがあっての話なんだろうけど。
しかし、このコメントに対して、テレビ局に避難が殺到したらしい。
やばい雰囲気だな、と感じる。
「人間の命の重みはみんな同じ」とか、耳障りがよくて、一見まともな発言に見えるけれど。
「じゃぁ、このホームレスのおじさん、避難所の中であんたの隣になるけど、ごめんね。」
って言われたときに、それでもそれが言えるのならすごいと思うけど。
残念ながら、ほとんどの人は、そうではないんだな。
ちょっと話は逸れるけれど、
東日本大震災のとき、がれきの処理が問題になって、他府県でも受け入れをしなければならない状態になった時に、僕の住む北九州市も受け入れを表明した。
確か、釜石だったか気仙沼だったか。岩手県か宮城県のがれきだ。だから放射線なんて心配いらなかったはずだ。
ところが、「環境団体」とか「市民団体」と称する人達が処分場の前の道路で大騒ぎ。
「放射能汚染されたがれきの搬入反対!」だと。
震災の直後、「絆」だとか「頑張ろう日本」とか言ってた、その舌の根も乾かないうちに、「自分のところに影響があるのは嫌だ!」と言う。
この問題でも、きっと同じことが起こるんだろうと思う。
ホームレスの人の、匂いを嗅いだことがあるだろうか。冗談抜きで、びっくりするくらい臭い。5分と近くにいられないと思う。
追い出すことはないにしても、一般の人と同じところに、とはいかない。それが現実だ。
そのあたり前の現実すら、口にしてはいけない、となるとこれはやばいと思う。
今回はあまり話題に上らなかったが、外国人旅行者をどうするのか、とか、ホームレスをどうするのか、といったことを「現実に」即して話し合うべきだと思う。
「良いことばかり言って、都合の悪いことは言わない」では、また間違った方向に向かっていってしまうと思う。
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